アクリル板の特徴や活用事例は?
よくアクリルはプラスチックですか?と、聞かれることもあるのですが、もちろんアクリルはプラスチックの仲間で、アクリル樹脂を板状に成型したものがアクリル板になります。
アクリル板も他のプラスチックと同様に、熱や圧力を加えることにより成形加工のできる高分子物質のことで、合成樹脂とも呼ばれています。
プラスチックには大きく分けて二つの種類に分けることができ、アクリル板は加熱すると柔らかくなり、冷やすと固くなる熱可塑性プラスチックに分類されます。
- 熱可塑性プラスチック・・・加熱すると柔らかくなり、冷やすと固くなる
- 熱硬化性プラスチック・・・加熱すると固くなる
今回は、皆さんに分かり易くアクリル板の特徴や、具体的な活用事例などを踏まえてご紹介して行きたいと思います。
アクリル板の特徴
アクリル樹脂はプラスチックの女王とも呼ばれ、プラスチックの中で一番の透明性をもったプラスチックです。
その透明度はガラスよりも高く、極めて高い耐候性と加工性を兼ね備えた合成樹脂になります。
正式名称は、ポリメチルメタクリレート樹脂 (ポリメタクリル酸メチル樹脂)略称PMMAと呼びます。
主な特徴
- ガラスより高い透明度
- 極めて高い耐候性
- 極めて高い加工性
アクリル板の活用事例
アクリル板は、このような特徴を生かして様々なところで利用されています。
飛沫感染予防アクリルパーテーション
「アクリルパーテーション」というキーワードは、コロナ対策として連日のように、各メディア等で取り上げられていたので、皆さんの記憶にも新しいかと思いますが、アクリル板は極めて高い加工性があるため、設置までに時間が無く、急を要する、このような非常事態に極めて有効な材料と言えます。
高透明性があることもそうですが、先陣をきって世の中に登場した理由は、この加工性の高さゆえの出来事でした。アクリル板は、材料そのものの意匠性が非常に高く、加工や貼り合わせ等を行えば、直ぐにでも製品として使用出来ることが、もっとも大きな特徴の一つです。
塗装したり金型を作ったりと後工程や初期投資に時間をお金を取られることがないので、とても便利な材料だね。
工作機械カバー
工作機械の安全カバーとしても、アクリル板がよく使用されています。
これは、極めて高い透明性と、耐候性が良いアクリル板を使用することで、長期間に渡って作業者の視界と、身の安全を確保できるため、よく使用されています。
プラスチックの中では、傷にも強いアクリルですが、表面処理を施すことにより ガラス並みの表面強度にすることも可能です。 一般的にハードコートと謳ったものが、これにあたります。
アクリル什器
アクリルディスプレイは、商品陳列用の際によく使用されています。
特に、付加価値の高い商品によく使用されているので、皆さんもアップルストアや百貨店等でよく見かけているのではないでしょうか?
中には、生活必需品を除く、単価の安い商品を販売する場合は、商品が安っぽく見えないように、アクリル製の陳列什器が使用されます。
このように、アクリル什器を使用した展示方法は、商品に高級感を演出できるため、商品を販売する陳列器具として、非常に相性が良いのが特徴です。
サインディスプレイ
案内表示板や看板等にも、アクリル板がよく使用されています。耐候性が良いため屋外で使用することも可能で、LED照明を組み合わせれば電飾看板としても使用が可能です。
最近では、余り見かけなくなりましたが、昔はガソリンスタンドの大きな看板も、アクリル板を使用した内照式の大型電飾看板でした。今でもショップの入り口ではよく見かけますよね。
このように、華やかで目立つ演出が出来ることも、アクリル板を使用するメリットでもあります。
アクリル水槽
水族館に行けば、優雅に泳ぐ魚たちと私たちの間に、透明のとても大きな壁があることはご存じだと思いますが、この大きな仕切り板もアクリル板が使用されています。昔は強化ガラスが使用されていたそうですが、ガラスの重量の約半分で、加工のしやすさ、透明度、耐侯性の良さから、今では強化ガラスに代わって、アクリル板が使用されるようになりました。
世界最高峰の水槽が沖縄県にある「沖縄美ら海水族館」は、高さが8.2メートル、幅22.5メートル、そして厚みが60センチ、重さが20トンという規格外の大きさですよね。
その他
これまでアクリル板の活用事例をご紹介してきましたが、それ以外にも光学レンズ、導光板、銘板と、ここでは紹介できないほどに、様々な分野で使用されています。
加工が比較的簡単で意匠性も高いので、簡単にいろんなものがDIYでも作れてしまいますよ。興味のある方は、是非挑戦してみてくださいね。