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アクリルの基礎知識 押出板とキャスト板の違いについて

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アクリル板には【押出板】と【キャスト板】の2種類の製法がございます
何がどう違うのか?なぜ2種類あるのか?疑問に思われた方もおられるのではないでしょうか?


「押出板」と「キャスト板」の違いは製造方法の違いです

今回はアクリル板の種類【押出板】と【キャスト板】について出来るだけわかりやすくご説明させていただきます。

押出板とは

    主にチップ(アクリル原料)を溶かして成形機から押し出されて流れ出てくるような
    うどんやラーメンの麺を作る際の製麺機から製品が出来上がるイメージとなります

キャスト板とは

    アクリルのキャスト板はガラスで枠を作り、そこに原料を流し込んで固める製法です

いったいなぜ??この二つの種類(製造方法)があるのかですよね???

製造方法を1つにまとめたら??と考えてしまいますがそうはいかないんです

その理由を説明していきますね

「押出板」と「キャスト板」の製造方法
の違いについて

押出板は、押し出す出口の大きさで板厚を調整して製造しますので一回で量産が効きコストが安くできます。

一方、キャスト板は一つずつ作るわけですからそれだけコストもかかり、押出板の倍くらいの価格となっています。

アクリル樹脂は1930年代に工業化された合成樹脂の1種となります。そして
アクリル板の製法というのは初めはキャスト製法からスタートいたしました

ただ、キャスト製法ではどうしても量産には不向きな製法のため日本の高度経済成長期によるアクリル板の需要の高まりを受け

アクリル板を量産が出来る方法がないか?と考えられたのがアクリルの押出製法による押出板のルーツとなります

じゃあ、押出板の方が安いので全部押出板でいいのでは???と考えてしまいますが、簡単にはすべて押出板に変えるには無理があります

価格も安い・量産もOKなのに なぜ・・・・?? 

今から簡単ですが説明しますね

押出機の出口の大きさを(製麺機に例えると麺が出るところ)がアクリルの板厚となり出口の大きさを変えることで板厚を変更しています
そこを大きくすることが現在の技術では難しく各メーカー違いがありますが、出口(板厚)は厚み20ミリまで、幅は1380ミリくらいが限界となります

それをカットして915×1830サイズや1100×1300サイズ、メーター板(1000×2000サイズ)などに切り分けられます。
上記のようなサイズが【規格サイズ】と呼び、各アクリルメーカーが販売しているサイズとなります

また、出口(板厚)は厚み20ミリは透明(クリア)の板に限りこのサイズが可能です。

白・黒といったよくご使用される板でも板厚10mmまでの厚みとなります

今の技術とアクリル樹脂の特性から、それより分厚いサイズ、幅となると、どうしても自由度の高いキャスト板でしか製造できないんです

ですのでキャスト板では押出板で作れない、厚板・板厚30~50mmや大尺透明(クリア)や2000×3000サイズの大尺が規格品としてラインナップされております

また、押出製法は量産を主流としていますので製造工程上ある程度のロット(量)が必要になります
ですので、色板(カラー)などは透明よりは一般的には需要が少ないのでキャスト製法での製造が主流となります

極端な例として、例えば10トンぐらいのロット(量)コスト(お金)時間(約2~3か月)をかければ押出製法でどんなカラーアクリル板を製造することは製法上(理論上)可能です。

ですが・・・現実的な話ではないかと思います
ですので、現代のアクリル板の世界では押出板とキャスト板の2種類の製法が存在しております

以上簡単に「押出板」と「キャスト板」の違いについて簡単にご説明させて頂きました
ご理解いただければ幸いです

ヒョーシンネットではアクリル板を様々な仕様で小ロットから量産品まで対応しております

弊社ではお見積りのご依頼を頂いた際、通常は押出板で計算します。これはできるだけお客様に低価格で商品を提供できるように考えているからです。
(一部キャスト板でしか寸法が取れない場合や、キャスト板をご指定の場合は、キャスト板でのご注文もお受けしております。)

お客様の要望に合わせた加工方法でアクリル板を製作することができますので、是非ともお試しくださいませ